水中捨石均し装置及び水中捨石均し工法

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【公開番号】特開2009-7838(P2009-7838A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
特許庁サイト
 

【発明の名称】水中捨石均し装置及び水中捨石均し工法

 
【国際特許分類】
   E02D  15/10     (2006.01)
   E02D  23/02     (2006.01)
   E02B   3/06     (2006.01)
【FI】
   E02D  15/10    
   E02D  23/02       F
   E02B   3/06    
 

【要約】
【課題】水中に投入した捨石を作業性良く確実に押圧して均すことができる水中捨石均し装置及び水中捨石均し工法を提供すること。

【解決手段】本発明では、水中に投入した捨石をクレーンに吊設した錘で押圧して均していく水中捨石均し工法に用いられる水中捨石均し装置において、捨石を押圧するための台座に支柱を立設した支持台と、支柱に摺動自在に装着した錘本体とで錘を構成し、クレーンの主ワイヤーに錘本体を吊設するとともに、クレーンの副ワイヤーに支持台を吊設することにした。そして、水中に投入した捨石の所定位置に支持台の台座を載置した後に、クレーンの副ワイヤーを支持台が転倒しない程度に緩和するとともに、クレーンの主ワイヤーを引張して錘本体だけを所定高さまで引き上げ、その後、クレーンの主ワイヤーを緩和して錘本体を支持台の台座に向けて落下させ、台座で捨石を均すことにした。

【特許請求の範囲】
 水中に投入した捨石をクレーンに吊設した錘で押圧して均していく水中捨石均し工法に用いられる水中捨石均し装置において、
  捨石を押圧するための台座に支柱を立設した支持台と、前記支柱に摺動自在に装着した錘本体とで錘を構成し、前記クレーンの主ワイヤーに錘本体を吊設するとともに、前記クレーンの副ワイヤーに支持台を吊設したことを特徴とする水中捨石均し装置。

  前記支持台の台座は、前記支柱に対して水平状の底面を有する台座本体の底部に前記支柱に対して傾斜状の底面を有する法面アダプターを着脱自在に装着して構成したことを特徴とする請求項1に記載の水中捨石均し装置。

  前記支持台の台座よりも上方に設置した滑り止め用錘を前記台座に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水中捨石均し装置。

  水中に投入した捨石をクレーンに吊設した錘で押圧して均していく水中捨石均し工法において、
  捨石を押圧するための台座に支柱を立設した支持台と、前記支柱に摺動自在に装着した錘本体とで錘を構成し、前記クレーンの主ワイヤーに錘本体を吊設するとともに、前記クレーンの副ワイヤーに支持台を吊設した水中捨石均し装置を用い、
  水中に投入した捨石の所定位置に支持台の台座を載置した後に、前記クレーンの副ワイヤーを支持台が転倒しない程度に緩和するとともに、前記クレーンの主ワイヤーを引張して錘本体だけを所定高さまで引き上げ、その後、前記クレーンの主ワイヤーを緩和して錘本体を支持台の台座に向けて落下させ、台座で捨石を均すことを特徴とする水中捨石均し工法。

  前記支持台の台座よりも上方に滑り止め用錘を設置し、水中に投入した捨石の所定位置に載置した支持台の台座に滑り止め用錘を接続することを特徴とする請求項4に記載の水中捨石均し工法。

発明の詳細な説明

【技術分野】

  本発明は、水中に投入した捨石を錘で押圧して均していく水中捨石均し工法及び同工法に用いられる水中捨石均し装置に関するものである。

【背景技術】

  従来より、水中にケーソンなどの構造物を設置する際には、水中の地盤に断面略台形状の基礎を形成し、その基礎でケーソンなどの構造物を支持するようにしていた。
  そして、水中の地盤に形成する基礎としては、水中に投入した捨石を錘で押圧して均し固める水中捨石均し工法が古くから用いられていた(たとえば、特許文献1参照。)。
  この水中捨石均し工法では、起重機船のクレーンで錘を昇降可能に吊下げた水中捨石均し装置を用いて基礎を形成するようにしており、まず、水中の所定領域に捨石を投入することで水中に断面略台形状の捨石基礎を形成し、その後、潜水士の指示により起重機船のクレーンで錘を水中の所定位置の捨石に向けて自由落下させることで捨石基礎を均一に押圧して所定高さの基礎を形成するようにしていた。
【特許文献1】特開2006-104835

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】

  ところが、上記従来の水中捨石均し装置では、水中で錘を自由落下させるために、錘が水の抵抗を受けながら落下することになり、水の抵抗によって錘が直下方よりもずれた位置に落下してしまい、所定位置の捨石を良好に押圧することができないおそれがあった。

  しかも、錘が捨石上に落下する際には、捨石上に多大な水圧が作用することになるため、小径の捨石や捨石の押圧時に捨石が割れて生じた小片が水圧によって巻き散らかされ、水中が濁って潜水士の視界が遮られてしまい、的確な指示を与えることが困難となって作業性が低減してしまうおそれがあった。

【課題を解決するための手段】

 そこで、請求項1に係る本発明では、水中に投入した捨石をクレーンに吊設した錘で押圧して均していく水中捨石均し工法に用いられる水中捨石均し装置において、捨石を押圧するための台座に支柱を立設した支持台と、前記支柱に摺動自在に装着した錘本体とで錘を構成し、前記クレーンの主ワイヤーに錘本体を吊設するとともに、前記クレーンの副ワイヤーに支持台を吊設することにした。

  また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記支持台の台座は、前記支柱に対して水平状の底面を有する台座本体の底部に前記支柱に対して傾斜状の底面を有する法面アダプターを着脱自在に装着して構成することにした。

  また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記支持台の台座よりも上方に設置した滑り止め用錘を前記台座に接続することにした。

  また、請求項4に係る本発明では、水中に投入した捨石をクレーンに吊設した錘で押圧して均していく水中捨石均し工法において、捨石を押圧するための台座に支柱を立設した支持台と、前記支柱に摺動自在に装着した錘本体とで錘を構成し、前記クレーンの主ワイヤーに錘本体を吊設するとともに、前記クレーンの副ワイヤーに支持台を吊設した水中捨石均し装置を用い、水中に投入した捨石の所定位置に支持台の台座を載置した後に、前記クレーンの副ワイヤーを支持台が転倒しない程度に緩和するとともに、前記クレーンの主ワイヤーを引張して錘本体だけを所定高さまで引き上げ、その後、前記クレーンの主ワイヤーを緩和して錘本体を支持台の台座に向けて落下させ、台座で捨石を均すことにした。

  また、請求項5に係る本発明では、前記請求項4に係る本発明において、前記支持台の台座よりも上方に滑り止め用錘を設置し、水中に投入した捨石の所定位置に載置した支持台の台座に滑り止め用錘を接続することにした。

【発明の効果】

そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
  すなわち、本発明では、捨石を押圧するための台座に支柱を立設した支持台と、支柱に摺動自在に装着した錘本体とで錘を構成しているために、支持台の台座を所定の捨石上に載置した後に錘本体を台座に向けて落下させることによって、支持台の支柱に沿って錘本体を落下させることができ、水の抵抗によるずれを生じさせることなく所定の捨石を確実に押圧することができる。
  しかも、支持台の台座によって捨石を押圧することになるために、錘本体の落下時に生じる水圧が捨石に直接作用することがなく、水圧による小径の捨石や捨石の押圧時に捨石が割れて生じた小片の散乱が生じることがなくなり、水の濁りの発生を抑えて潜水士の視
界を良好に確保でき、作業性を向上させることができる。
  さらに、本発明では、支持台と錘本体とを別個のワイヤーでクレーンに吊下げているために、運搬時にそれぞれのワイヤーを引張させることで一方のワイヤーだけに集中して荷重がかかることがなく、また、水中で支柱に水流による抵抗がかかっても支持台を吊設するワイヤーによって支持台が水中で転倒してしまうのを防止することができ、作業の安全性を向上させることができる。
 また、本発明では、支柱に対して水平状の底面を有する台座本体の底部に支柱に対して傾斜状の底面を有する法面アダプターを着脱自在に装着することによって台座を構成しているために、台座に法面アダプターを装着することで、容易に法面部分の捨石を良好に押圧して均すことができる。
  また、本発明では、台座に滑り止め用錘を接続しているために、法面部分の捨石を押圧する際に台座が法面に沿ってずれ下がってしまうのを防止することができ、これによっても、容易に法面部分の捨石を良好に押圧して均すことができる。

【発明を実施するための最良の形態】

  以下に、本発明に係る水中捨石均し装置及び同装置を用いた水中捨石均し工法の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。

図1
図2
図3
図4

  まず、水中捨石均し装置の構成について説明すると、図1〜図3に示すように、水中捨石均し装置1は、起重機船2のクレーン3に昇降自在に吊下げた錘4で構成しており、この錘4によって予め水中5に投入した捨石6を押圧する装置となっている。

  錘4は、起重機船2のクレーン3の副ワイヤー7に昇降自在に吊下げられた支持台8と、起重機船2のクレーン3の主ワイヤー9に昇降自在に吊下げられた錘本体10とで構成している。ここで、錘4は、起重機船2のクレーン3にそれぞれ別個に昇降自在に吊下げられた支持台8と錘本体10とで構成していればよく、主ワイヤー9や副ワイヤー7は別個のワイヤーであることを便宜的に示しているに過ぎない。

  支持台8は、捨石6を押圧するための台座11の上面中央部に円筒状の支柱12を垂直に取付け、支柱12の上端部にクレーン3の副ワイヤー7で吊下げるための吊下具13を形成している。

  台座11は、支柱12に対して水平状の底面を有する矩形板状の台座本体14と、支柱12に対して一定角度の傾斜状の底面を有する三角柱状の法面アダプター15とで構成しており、支柱12の下端部に台座本体14を取付けるとともに、台座本体14の下部に法面アダプター15を連結具16を介して着脱自在に装着している。

  台座本体14は、上面に防音用のゴム製のマット17を貼着し、前後側壁に連結具16を連結するための左右一対のブラケット18,18を形成している。

  法面アダプター15は、三角柱状のアダプター本体19の上部に台座本体14の下半部を囲繞する矩形枠状のガイド枠20を形成し、ガイド枠20の前後側壁に連結具16を連結するための左右一対のブラケット21,21を形成し、さらに、ガイド枠20の前側壁の左右端部に後述する滑り止め用錘22を連結するためのブラケット23,23を形成している。このように、法面アダプター15は、ガイド枠20で台座本体14の下半部を囲繞することによって、台座本体14と法面アダプター15との相対的な回転を阻害して、錘本体10の落下重力を台座本体14から法面アダプター15へと良好に伝達できるようにしている。なお、アダプター本体19は、H型鋼材を縦方向又は横方向に並設することで中空状に形成して軽量化を図り、運搬の容易化を図るとともに、錘本体10の落下重力を捨石6に伝達しやすくしている。

  また、支持台8は、台座11を水中5の所定位置の捨石6の上部に載置した状態で支柱12の上端が水面24よりも上方に位置する長さに支柱12を形成している(図1参照。)。なお、支柱12は、複数個連結して形成してもよい。また、支柱12の上端部分に目印となるスケールを形成しておき、外部から押圧する領域の高さを計測できるようにしてもよい。

  錘本体10は、矩形箱型状に形成しており、中央部に支持台8の支柱12を挿通するための断面円形状の挿通孔25を形成するとともに、挿通孔25の周辺に下端から上端に貫通する4個の断面円形状の水抜孔26を形成し、さらには、上端の四隅にクレーン3の主ワイヤー9に吊下げるための吊下具27をそれぞれ形成している。

  この錘本体10は、挿通孔25に支持台8の支柱12を挿通することで、支持台8の支柱12に上下摺動自在に装着している。

  また、錘本体10は、下端周縁に支持台8の台座11の周縁よりも内側から上方へ向けて傾斜する傾斜面28を形成するとともに、挿通孔25及び各水抜孔26の下端周辺にも傾斜面29,30をそれぞれ形成している。

  次に、上記水中捨石均し装置1を用いた水中捨石均し工法の構成について説明する。この水中捨石均し工法は、水中5に多量の捨石6で所定幅W、所定高さH、所定長さの略台形状の基礎31(図9参照。)を形成するための工法であり、水中5に捨石6を略台形状に投入して所定高さHよりも高い捨石基礎32(図4参照。)を形成し、この捨石基礎32の上端面及び縁部法面を水中捨石均し装置1を用いて均等に押圧することで所定高さHの基礎31を形成するものである。なお、以下の説明では、既存の堤防33の下端部に基礎31を連設する場合について説明する。

  この水中捨石均し工法は、概略、水中5に捨石6を投入して捨石基礎32を形成する捨石投入工程と、捨石基礎32の上端部を荒く均す荒均し工程と、捨石基礎32の上端部を均して所定幅Wかつ所定高さHにする本均し工程と、捨石基礎32の縁部法面を均して基礎31に仕上げる法面均し工程とで順に構成している。

  まず、捨石投入工程では、図4に示すように、水底34に目印となる指示棒35を堤防33から所定幅Wで長さ方向に間隔をあけて立設し、潜水士の指示により指示棒35で示される領域(堤防33の端縁と指示棒35との間の領域)の内側にガット船を用いて捨石6を順次投入し、水底34に捨石6を積み上げて所定高さHよりもh1ほど高い捨石基礎32を形成する。なお、捨石投入工程では、指示棒35を目印として所定幅Wの内側に捨石6を投入するために、縁部の捨石6が自然に落下して、上端の縁部の間隔W1が所定幅Wよりも狭く、下端の縁部の間隔W2が所定幅Wよりも広く、所定高さHよりも高い略台形状の捨石基礎32が形成される。

図5
図6
図7
図8

 次に、荒均し工程では、図5に示すように、捨石基礎32の上端部の捨石6をクレーンや潜水士によって排除して、捨石基礎32の上端が概ね平坦で高さが所定高さHよりもh2(h2<h1。)ほど高い捨石基礎32を形成する。なお、荒均し工程では、捨石基礎32の上端の縁部の捨石6も排除して、上端の縁部の間隔W3が所定幅Wよりも狭い捨石基礎32が形成される。

  次に、本均し工程では、図6及び図7に示すように、潜水士の指示により指示棒35で示される領域の内側において水中捨石均し装置1の錘4を用いて捨石基礎32の上部の捨石6
を順に押圧していき、所定高さHの捨石基礎32を形成する。

  この本均し工程では、上記水中捨石均し装置1を用いており、次のようにして錘4を用いて捨石6を押圧するようにしている。なお、この本均し工程では、水平状の捨石基礎32の上部を均す作業であるために、水中捨石均し装置1の台座本体14に法面アダプター15を装着しない状態の台座11を使用する。

  まず、潜水士の指示により起重機船2のクレーン3で錘4を水中5の所定の捨石6の上部に載置する(図8(a)参照。)。

  次に、支持台8を吊下げる副ワイヤー7の張力を緩和するとともに、錘本体10を吊下げる主ワイヤー9を巻き上げて錘本体10を支柱12に沿って上方の所定高さまで上昇させる(図8(b)参照。)。なお、上昇させる高さは、捨石6の押圧量に応じて適宜調整する。また、副ワイヤー7は、支持台8が水中5で転倒しない程度(具体的には、副ワイヤー7の撓み量が支柱12の高さよりも十分に短く(たとえば、1/10程度の長さに)なるようにする。)に張力を緩和する。

  次に、錘本体10を吊下げる主ワイヤー9の張力を一気に緩和して錘本体10を支柱12に沿って直下方の台座11に向けて落下させる(図8(c)参照。)。

  これにより、錘本体10が台座11に落下し衝突して、台座11の台座本体14によって捨石6を押圧することができる。

  この本均し工程では、所定幅Wの範囲内において捨石基礎32の基端部(堤防33と隣接する部分)から縁部へ向けて順次捨石6を押圧していくことで、捨石基礎32の上端面を良好な平坦面に仕上げていく。これにより、本均し工程では、捨石基礎32の下端の縁部の間隔W4が若干広がり、上端の縁部が所定幅Wで高さが所定高さHの捨石基礎32が形成される。

図9
図10
図11

 最後に、法面均し工程では、図9に示すように、潜水士の指示により指示棒35で示される領域の外側において水中捨石均し装置1の錘4を用いて捨石基礎32の縁部の法面の捨石6を順に押圧していき、下端の縁部の間隔W5を若干広げて、捨石基礎32を所定形状の基礎31に仕上げる。

  この法面均し工程でも、上記水中捨石均し装置1を用いており、次のようにして錘4を用いて捨石6を押圧するようにしている。なお、この法面均し工程では、傾斜状の捨石基礎32の縁部を均す作業であるために、水中捨石均し装置1の台座本体14に法面アダプター15を装着した状態の台座11を使用する。

  まず、図10及び図11に示すように、潜水士の指示により捨石基礎32の上部に台座11と同一横幅の矩形箱型状の滑り止め用錘22を台座11の横幅と同一の間隔をあけて複数個載置するとともに連結用チェーン36で相互に連結する。

  次に、潜水士の指示により起重機船2のクレーン3で錘4を水中5の所定の捨石6の上部に載置し、台座11の法面アダプター15と滑り止め用錘22とを左右一対の接続用チェーン37で接続する。

  次に、本均し工程と同様に、支持台8を吊下げる副ワイヤー7の張力を緩和するとともに、錘本体10を吊下げる主ワイヤー9を巻き上げて錘本体10を支柱12に沿って上方の所定高さまで上昇させ、錘本体10を吊下げる主ワイヤー9の張力を一気に緩和して錘本体10を支柱12に沿って直下方の台座11に向けて落下させる。これにより、錘本体10が台座11に落
下し衝突して、台座11の法面アダプター15によって捨石6を押圧することができる。

  この法面均し工程では、捨石基礎32の上端縁部から下端縁部へ向けて高さ方向に順次捨石6を押圧するとともに、捨石基礎32の基端部から先端部へ向けて長さ方向に順次捨石6を押圧していくことで、捨石基礎32の法面を良好な傾斜状平坦面に仕上げていく。これにより、法面均し工程では、下端の縁部の間隔W5が若干広がり、上端の縁部が所定幅Wで高さが所定高さHで縁部が所定傾斜角の基礎31が形成される。
  なお、法面均し工程では、捨石基礎32の上端縁部から下端縁部へ向けて高さ方向に順次捨石6を押圧する際には、潜水士により接続用チェーン37の長さを徐々に長くしていき、また、捨石基礎32の基端部から先端部へ向けて長さ方向に順次捨石6を押圧する際には、潜水士により接続用チェーン37を滑り止め用錘22に接続しなおしていく。

  以上に説明したように、上記水中捨石均し工法で用いる水中捨石均し装置1では、捨石6を押圧するための台座11に支柱12を立設した支持台8と、支柱12に摺動自在に装着した錘本体10とで錘4を構成しているために、支持台8の台座11を所定の捨石6の上部に載置した後に錘本体10を台座11に向けて落下させることによって、支持台8の支柱12に沿って錘本体10を落下させることができ、水の抵抗によるずれを生じさせることなく所定の捨石6を確実に押圧することができる。

  また、支柱12に沿って錘本体10を落下させるために、水中5の潮流の影響を受けることなく錘本体10を支柱12に沿って直下方に落下させることができて所定の捨石6を確実に押圧することができる。

  また、直接的には台座11によって捨石6を押圧することになるために、台座11を設置した領域を偏って押圧することなく均等に押圧することができ、捨石6を平坦に押圧することができる。

  しかも、支持台8の台座11によって捨石6を押圧することになるために、錘本体10の落下時に生じる水圧が捨石6に直接作用することがなく、水圧によって小径の捨石6や捨石6の押圧時に捨石6が割れて生じる小片が周囲に散乱してしまうのを未然に防止することができ、水の濁りの発生を抑えて潜水士の視界を良好に確保でき、作業性を向上させることができる。

  また、上記水中捨石均し装置1では、錘本体10の下端周縁に台座11の周縁よりも内側から上方へ向けて傾斜する傾斜面28を形成しているために、錘本体10の落下時の水の抵抗を低減することができるとともに、錘本体10が台座11に衝突して捨石6を押圧する際に、水を錘本体10の傾斜面28に沿って上方へ向けて排除することができるので、台座11の周辺での小径の捨石6や小片の散乱を防止でき、台座11の周辺での水の濁りの発生を抑えて潜水士の視界を良好に確保でき、作業性を向上させることができる。

  また、上記水中捨石均し装置1では、錘本体10に下端から上端に貫通する水抜孔26を形成しているために、錘本体10の落下時に錘本体10の直下方の水を水抜孔26から排除することができ、落下時に錘本体10が受ける水の抵抗を低減して錘本体10の落下によって捨石6を強固に押圧することができる。

  特に、水抜孔26の下端開口部に傾斜面30を形成した場合には、錘本体10の下方の水を水抜孔26に良好に導入することができ、より一層水の抵抗を低減することができる。

  また、上記水中捨石均し装置1では、支持台8を所定位置に載置した状態で支柱12の上端が水面24よりも上方に位置する長さに支柱12を形成しているために、水面24よりも上方
に突き出した支柱12によって押圧する領域の高さを外部から認識することができ、作業性を向上させることができる。

  さらに、上記水中捨石均し装置1では、支持台8と錘本体10とを別個のワイヤー(主ワイヤー9及び副ワイヤー7)でクレーン3に吊下げているために、運搬時にそれぞれのワイヤーを引張させることで一方のワイヤーだけに集中して荷重がかかることがなく、また、水中で支柱12に水流による抵抗がかかっても支持台8を吊設するワイヤーによって支持台8が水中で転倒してしまうのを防止することができ、作業の安全性を向上させることができる。

  また、上記水中捨石均し装置1では、支柱12に対して水平状の底面を有する台座本体14の底部に支柱12に対して傾斜状の底面を有する法面アダプター15を着脱自在に装着することによって台座11を構成しているために、台座11に法面アダプター15を装着することで、容易に法面部分の捨石6を良好に押圧して均すことができる。

  また、上記水中捨石均し装置1では、台座11の法面アダプター15に滑り止め用錘22を接続しているために、法面部分の捨石6を押圧する際に台座11が法面に沿ってずれ下がってしまうのを防止することができ、これによっても、容易に法面部分の捨石6を良好に押圧して均すことができる。
 

概要

  1. クレーンの主巻で上部重錘を吊り、補巻で下部重錘を吊り、本均し施工位置まで移動する。
    事前測量にて竹入れし、捨石投入完了後、荒均しされた捨石面上に潜水士の指示の下、上部重錘及び下部重錘をセットする。( 位置決めにおいて潮流が早い場所ではGP S を使用することも考慮する。)
    この時、特許工法の工法理念から下部重錘のガイドパイプ( 鋼管) の頭が海面から水没しないように施工水深と対比して水面より出しておく。ガイドパイプは継ぎ足しが可能な設計であり均し機の傾き等が、クレーンオペレーターに目視確認をする為である。又、ガイドパイプに設計施工高さのレベル確認を行う為の水深表示が必要であり、常に海面より出ていなければならない。
  2. 上部重錘を吊っている鋼製櫓は1m~2mの上下のストロークで下部重錘の台座上に荷重を伝達する。( 捨石上面にあて盤を置きその上を叩く要領である。) このときに留意することは下部重錘を吊っているワイヤーは緩めておく。上部重錘落下時の荷重が影響しない為である。
  3. 荒均した捨石面上に下部重錘を叩く前にセットするため、確実に施工することが出来る事と潮の流れに左右されない利点がある。施工中は下部重錘の台座を解して上部重錘の荷重が伝わるために、均一な、精度の高い均し施工が出来る。従来工法より捨石の砕けも少なく、濁り発生も少ない環境的にもやさしい工法である。設計仕様の仕上高の確保は陸上よりレベル測量にて行なう。
水中捨石均し装置、施工手順

 

施工法

1.捨石投入

ガット船にて直接投入する。
捨石投入

 

2.計画高測量、水糸張り

計画高に測量杭を設置する。
余盛り高さに水糸を張る。
計画高測量、水糸張り

 

3.オレンジバゲットによる荒整形

水糸の高さに合わせ、オレンジバケットにて荒整形を平均に
潜水士の指示にて行う。

 

4.捨石均し

荒整形後、起重機船を施工計画位置にセットする。クレーン主巻にて、均し装置の上部重錘を吊り上げ、それと同時に、補巻にて下部重錘を吊り上げその後、捨石均し基面に降下する。捨石基面に下部重錘を着底後、下部重錘底面と施工計画高を考慮し視点を一点に定め、陸上部にセットしたレベルにて測定する。
下部重錘はあくまでも、捨石基面上にセットしたままで、上部重錘の上下可動反力(最大2m前後)のみで捨石基面を均し施工する。高い位置からの上部重錘の落下で発生すると海底における捨石上の濁りや捨石の必要以上の小割(砕け)を防止することも考慮している。
捨石のマウンド厚や捨石投入現場の土質状況でスムーズに捨石が計画高に下がらない場合は、捨石均し基面のほぼ中央部にオレンジバケットにて捨石を取ってくぼみ(溝)を構築し、捨石の逃げ場を作り上部重錘での転圧で捨石の高さの調節を行なう。
その時は、捨石上の法肩部より中央のくぼみに向って均して施工する。この捨石均し施工においては捨石基面の転圧も併用していることにより、均しのエネルギー源を過大にせず小さく、こまめに慎重に施工することが一番適切であることが過去の工事実績からも実証されている。
均し後の捨石面の施工精度の確認は随時レベルにて測定確認を行い管理図を作成し記録を残す。この施工手順にて、工事施工に伴う仕様書の許容値を確保することが出来る。

 

5.捨石均し(移動)

均し装置の移動は、クレーンの中心を軸として左右に円を描くように行う。
ブームの角度を順次変え、均しを行う。